古武道目録




古武道目録(まえがき)
戦国時代、流派の型を敵に知られることは死活問題であり門外不出でした。しかも奥義は一子相伝の伝承であったため途絶えてしまった流派もたくさんあるようです。

本書は備中竹内流第十六代、眺雲館師範 大島洋志 源真雲先生の著書を編集したものであり、130の基本動作と武道への応用を紹介しています。

生命の進化は適者生存、生存の為の戦いは優勝劣敗。時代は流れても厳しい現実は変わりません。真雲師は40年の修行から「人を制するよりも人を活かすことが武道である」と言われます。人を活かす基礎となる健康づくりを主眼に運動を編集、解説しています。

武道的観点でのこれらの基本動作の目的は、
@:深層の筋(インナーマッスル)を効果的に運動に同調させること、または深層の筋で運動を起こす事。
A:運動において四肢だけでなく、胴体部分の骨格・関節(肩甲骨・肋骨・骨盤・仙骨等)を有効に使う事、正中線のぶれない身体を作る事。
B:@・Aにより目的とする運動をごく小さな速い動作で行う事。
C:Bにより相手に対応する時間を与えないことで相手を制する事。
の訓練法であり、まさに奥義といえます。

健康づくりという観点からは、深層筋を動かす事により
@:基礎代謝の向上によるダイエット効果・加齢による衰えを緩やかにする効果。
A:アジリティ・コーディネーション能力の向上による脳の活性化。
B:柔軟性の向上によるリハビリ効果。
など、身体の総合能力を向上、改善させることが大いに期待できます。また、身体に無理をかけずに合理的な動作を身につけることができます。

運動をおこなう際に皮膚に近い筋は意識してコントロールしていると思いますが、骨格に近い深層の筋は普段は意識していないと思います。

近年、多くの競技スポーツで古武道の身体操法に学ぶトレーニングが一般的になってきており、また様々な健康法にも応用されています。日本の優れた技能・精神の伝統が見直されています。

古武道の魅力は身体の大きさや筋力、年齢・性別にかかわらず、身体の使い方によって爆発的な力を技に伝える事ができるようになること、また心掛け一つで座っている時、立っている時、歩くとき、呼吸でさえもすべてが稽古であり、特別な時間を作れなくても日常生活の中で訓練ができ、しかも身体機能が向上するという点であろうと思います。

運動、または技のコツとは個人の体験による主観的な感覚です。個人の主観的な感覚をたくさん集め、その共通する感覚や方法が技術として確立され後世に残されていきます。竹内流は1532年の創始です。その伝承法からコツを伝えられる人材はごく限られています。秘伝の書を編集できる事に喜びを感じています。

この目録で全ての動作を正確に理解し身につける事は困難かと思われます。不明の点は道場においでいただくか、ご連絡いただければ幸いです。


書籍の購入方法

本棚ページ

詳細ページ

トップページ