四季の移ろいの中で




国家とは愛であり、冒険に裏打ちされた存在だ。国家の愛は冒険と等しく交わる。人間とは愛に嵌り、また国家を冒険する。戦いは決戦となり、国家の優位が争われる。競争は国が行い、人間に愛が在ったか疑うだけだ。愛が無ければ競争に負けたも同然だからだ。しかし、国は国家百年の経緯を民族で争う形となる。国は敗れて惜敗は惜しく、国は失い民族は路頭の集団だ。冒険も益々、需要が増している。冒険も一塩のことである。一事が万事である。答えは理解したが、人間のささやかな暮らしと、人間の希望とは計らいである。祈りも虚しく散るのは、花の面影に似ている。詰まり、結果は理解出来ていた。それを認めようとしない人間が悪い。散るのは花でも、人間のいのちとなると理解より感情だ。感情は影に遣った。自分の生きるは瞭然としていたからだ。高原の囁き、馬の蹄の音、線路の高鳴りなど血を於いて他にない。この結果的とも言える感情は戦争を通して語られた。しかし、結果として人間は感情が占めたのだ。愛で勝っても、心に負けていたのでは何も実らない。すると人間特有の資産は古きに追いやられ、人間の資質だけは新しきに迎える。やがて人間は老人となり、新しい世界へと旅をするのだ。人間の旅は永久に続き、終わる必要のない永遠のものだ。人間のいのちは永遠のものであり、単に理屈を挟んだ人間が、軽々しく、いのちを論ずべきでない。しかし、冒険ならといのちを永久にしてしまう。自然破壊、地球環境を考えると永久に凍土である。その氷が溶け始め、人間を縛った環境へと異変する。雪解けの水は人間を凍らせた。余りの美しさに凍結したのだ。しかし、環境が変われば、凍土と雖も人間の心だ。冷たい雪の世界に何を思うだろう。美しいとか、憐憫は隠せない。哀愁は人間に襲い、雪景色にみとれる。果たして人間のいのちの継承は便宜となる。冷たい雪に閉ざされ、川の水も氷結した。氷点下の季節に氷柱は、一滴一滴を雫に代える。血の一滴、一滴である。人間の血を通わすと在っては血を見ないではおれないだろう。しかし、人間の血だ。人間の血が氷土と化す。冷たい氷に覆われた血は、永久に凍土である。太陽が昇り、四季は移ろい易くなる。その季節に人間は何を目論むのか。火柱が上がり、パチパチ弾けたとしても人間の心である。心では人間は外にない。しかし、心中では察するに余りある。穏やかと行くまい。喧騒は広がりを見せた。人間の世の中である。動物をいたわり、労をねぎらう様は人間に於いて無いのだ。無は永遠と定義すると、人間の死は永遠とは行くまい。


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