作者名 | 作品の分類 | ページ数 |
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阿部誠 | 文学 | 190 |
ISBN | 書籍サイズ | 定価(税込・円) |
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978-4-901351-90-4 | A5 | 2,090 |
概要 |
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資料をもとにして、東文彦の生涯の歩みを辿った。文彦の人生はどのようなものであったのか、また文彦の抱えていた悩みや、文彦をめぐる人間関係等、評伝的問題を中心に検討している。三島とやりとりした手紙を見ると、様々な問題が浮かび上がってくる。短い生涯の中でもいろいろなことを文彦は考えており、十代の三島と深く話し合っていたことがわかる。逆に、三島の悩みや生活の様子等を知ることもできる。 文彦の生涯の歩みを辿るためにどのような資料があるのかを一覧できるようにまとめた最初の本という点で、本書の意義は大きいと言える。さらに、『三島由紀夫 十代書簡集』の書簡順序について考察した。現在公表されている文彦宛の三島書簡について、その順序は発行誌により違いがある。本書では、この問題に注目した。どの資料の書簡順序が最も妥当性があるのかについて検討し、結論づけた本である。 卒業論文等で東文彦を取り上げる場合には必読の書。ぜひ本書を傍らに置いて考えながら、論文を練り上げていってほしい。 |
目次 |
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はじめに T 年譜からわかること 一 生涯の概要 1 転居 2 学校 3 健康状態 4 旅行 5 文学活動 二 二つの転機 1 第一の転機 2 第二の転機 U 文彦の書簡から 一 文学をめぐって 1 文学的歩み 2 作品の二つの系列 3 時局との関連 4 ニーチェへの思い 5 自然・神・日本をめぐる考え 二 三島との交友 1 二人が対面した日 2 互いの悩み 3 『赤絵』発行の発端 V 死の様子 W 家系 一 東季彦、東武 二 東菊枝、石光眞清 X 父季彦の回想 Y 三島の書簡から 一 人間関係をめぐって 1 父との関係 2 師との関係 二 文芸雑誌運営をめぐって 1 『輔仁会雑誌』運営 2 『赤絵』発行 三 文学観 1 日本浪曼派周辺 2 文学観 四 文彦の死 Z 昭和四十五年・三島の見解 一 交友の様子 1 訪問時の様子 2 時代との関連 3 作家東文彦の心理 二 文彦の作品と音楽 1 「静けさ」と「ヒロイズム」との関連 2 音楽との関連 [ 知人の証言から 一 坊城俊民の回想から 1 表面的にわかること 2 副次的にわかること 二 徳川義恭の回想から \ 書簡の順序 一 各掲載誌における書簡の順序 1 『三島由紀夫十代書簡集』単行本の順序 2 『三島由紀夫十代書簡集』文庫本の順序 3 『決定版 三島由紀夫全集』第三十八巻 二 書簡順序変更の妥当性 三 新たな提案 ] 作品配列について 一 二作品集における作品配列 1 『浅間 東文彦遺稿集』の目次 2 『東文彦作品集』の目次 二 配列の違いの原因 1 「方舟の日記」の位置づけ 2 その他の作品 3 作品制作年月の誤植 ]T 補足資料 一 公表書簡掲載誌一覧 二 年譜 おわりに |