サラリーマンの法則




立ち読み
もしジャンボ宝くじの一等賞金、二億円が当たれば今の仕事を辞めて自分で夢のある生活をしてみたいと思う人は世の中に一杯います。残念ながら一等に当たる確率は一千万分の一しかありません。可能性はゼロではありませんが、まず当たる事はないと言った方が現実的です。どうしても当てたいと願うなら、一枚三百円の宝くじを連番で一千万枚以上を購入しなくてはいけません。しかし、それだけの枚数を購入する為の資金として三億円以上が必要となります。当然、自己資金だけでは無理な話です。銀行で借金をしたくても、宝クジを買う為という理由では銀行は貸してくれません。もし他の方法で三億円を準備して宝クジを買って当たっても、差し引きは一億円の損ですから、宝くじは、お金を手に入れるには効率が良い方法ではありません。宝くじの一等賞金を手にするのは庶民にとってやはりジャンボな夢なのです。

サラリーマンやOLとして、毎日真面目に働いていれば、会社が倒産するか自己都合で退職しない限り、金額は多くはなくても毎月安定した収入が得られます。宝くじやギャンブルに血道をあげるより、よほど間違いのない方法です。しかし、会社で働いて給料を貰うというのは簡単な事ではないですね。毎日、朝早く起きて身支度を整え、朝食を終えてから出勤するにしても、通勤距離が遠い人は、電車やバスや車を利用せざるを得ません。いつ車両故障や交通渋滞に遭遇するかも分かりません。毎朝同じ時間に家を出発しても、定刻通りに会社に到着できる保証もないわけです。始業前に問題なく会社に到着しても、周囲の人から無事出社おめでとうとか、遅刻しなくて良かったねと歓迎してくれる事もありません。誰もが遅刻せずに出勤するのがサラリーマンとして当然の勤めだと思っているからです。さらに、自分から「おはようございます」と気持ちよく挨拶をしても、ムスッとした顔の人もいれば、横目でチラッと見るだけで挨拶を返さない人もいますよね。たまには、一言嫌味を言う同僚や上司もいます。朝から、こんな暗い雰囲気の職場で何年も勤めるのは結構大変なことです。

会社で働くようになれば、学生時代の学校との違いを再認識しておくべきです。学校に行くには当然授業料を払う必要があります。お金を払わないと、勉強したくても学校で勉強ができません。しかし、入学さえしてしまえば先生が教科書と黒板を使ってちゃんと教科を教えてくれます。真面目に登校さえしていれば、成績が悪い生徒には補習や追試でちゃんと卒業できるように面倒も見てくれます。会社は、真面目に出社していれば、ありがたい事に給料が貰えます。会社にお金を支払わなくても良いわけです。学校と会社との大きな違いがお金を払うか、貰うかなのです。会社には、先生の代わりに上司がいます。自分の言動が悪ければ上司が注意もしてくれれば、嫌味も言ってくれます。働いてお金を貰える事が有難いと思う気持ちがあれば、多少の嫌な事に対しても我慢が出来るはずです。会社はピラミッド型の組織で運営されている集団ですから、上から下までの人間関係がうまく噛み合っていないと、仕事をするにしても苦労ばかり。ときには、会社や仕事が面白くないという理由で、精神的に鬱病になる人もいるし、体調が悪くて繰り返し休暇を取る人、さらに精神的に追い詰められると入院したり、会社を辞めようと考える人まで出てきます。それに比べると、居酒屋で酒を飲んで憂さを晴らしている人の方がまだ精神的にはマシかもしれません。

サラリーマンは、人を観察する好奇心とそれを分析するだけの心の余裕を持てば、給料を貰いながら、会社も仕事も面白いという毎日に変えることができます。まず、自分と他人との考えの「違い」を認識することが出発点です。親子や夫婦のように長年同じ家で生活をしていても、当然お互いに考え方は違います。たとえ双子でさえ、容姿や言動が似ていても性格は異なるものです。まして、他人同士なら、親も永年育ってきた環境も当然違います。生きてきた歴史の違いを経て社会人になった大人が、お互いに自分と同じ価値観だとか、一緒の行動をとるという事自体有り得ないことです。自分と同じ考えを持つ人を見つける事は、多分、宝クジの一等を引き当てる確率よりも低いと思った方が得策です。常日頃、同僚や上司に対する不満や悪口を話している人のほとんどが、自分の考えが相手に伝わらないとか、自分の努力を評価してくれないという内容の話がほとんどです。自分と相手が同じ会社の社員だから同じ価値観や同じ考えのはずだという自分勝手な思い込みから来ている間違いです。

毎日の会社生活を楽しくするためには、人を観察して、どんなパターンで行動する人なのかを理解してあげる事が大切です。相手の考えや行動が理解出来ない時は、この本が役に立ちます。人類が誕生してすでに四百万年という気の遠くなるような歴史を経ているにもかかわらず、好きだとか、嫌いだとか、嫉妬だとか人間関係の基本にかかわる問題だけは何も進歩も解決もしていません。このサラリーマンの法則は、もっと肩の力を抜いて生きられるように、サラリーマンの行動パターンをまとめてみました。宝クジを十枚買うより、この本を読む方がもっと現実的です。とにかくいつでもサラリーマンは笑うが勝ちです。



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