ミノンのすぐそばで、何か大きなものが動きました。 見ると、まん丸い目をしたゴマアザラシが、ミノンを見つめています。 ミノンは、その大きな目にびっくりしました。 「とても大きな目ですね。ぼくの体より大きいよ。」 ゴマアザラシは、はずかしそうに答えました。 「ぼくは、本当はよわむしなんだ。だからすぐに泣いてしまう。 でも、つよむしになりたいから、 泣いてしまいそうなときは、空を見上げて、目を大きく開くんだ。 そうすれば、涙がこぼれないでしょ。 そうしていたら、いつのまにかこんなに目が大きくなっちゃった。 ぼくは、よわむしでなく、つよむしになりたいんだ。」 そう言うと、ゴマアザラシは、大きな目をぱちくりさせました。 |