まえがき 公衆電話機が見つからない。 公衆電話機。通話機能付きの携帯型端末を持たない者の外出時の必須の通話ツールである。筆者もその一人である。 公衆電話機といえば、磁気テレホンカードである。現在では廃止されたICテレホンカードと識別できるようにこのように呼ぶようである。本書では、「テレホンカード」とする。 テレホンカードは、コレクターズ・アイテムとしても人気を博した時期もあった。その特徴といえば、小銭を持たなくても磁気カード一枚で、電話が掛けられることである。 それだけではない。テレホンカードには、更に2つの特徴的な機能構成がある。1つは、指先の触感だけで指し込み方向(表裏と前後)が識別できる『切欠部』である。もう1つは、残度数を表示する『パンチ穴(穿孔)』である。そして、この2つの特徴構成に関しては、それぞれ関連する『考案』が存在する。 本書は、この2つの『考案』についての権利化過程について調べたものであり、両者の登録までの過程は極めて特徴的であり、かつ、対照的である。 2つの権利化過程を比較することで、活きた権利を取得するヒントになることを願う次第である。 |