夜に聴こえる迷露囁




 自然は、気分をやわらげ、どんな時でも解放感を与えてくれる。
 これは、昼間の場合なら、心休まる穏やかな空気と壮大な景色の魅力に、人々は心を引き付けられて、その場所と一体になれる。
 あくまでも、人の考えが自然を好きになるのではなく、自然自体が人を好きにさせる。
 そして、夜になるとその雰囲気も一変していく。
 昼間との違いは、穏やかな雰囲気から、賑やかな雰囲気へと変化させ、更に、人の心を読み取るように木々達が歌い出す。
 夜は昼間にない木々達の大演奏会が始まるのだ。
 妖精達も姿を見せ、木々の枝に座ったり踊ったりして、夜を味わいながら楽しむ。

 ランガルの森の夜は素晴らしく楽しい!

 その演奏会に誘い込まれるように、二人の少女が歩いてくる。
 少女達の服装は、白いワンピースに、一人はベージュのカーディガン、もう一人はこげ茶色のカーディガンを羽織った格好だった。
 一人は髪を束ねていて、もう一人の少女の髪はふわふわとしたウエーブのある感じ。
 ふわふわとした髪の子は、この森に近づいてくる度に、もの凄くわくわくして好奇心に駆られる。


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