猫のつぶやき(白黒版)




「自分を変えることってむずかしくないですか?」

猫ちゃんが虎に変身しようと試みています。ドラ猫ってどう? ちょっと変? ・・・鏡の前で苦労しています。ドラドラ(?)・・・でも誰が見たって虎はトラだし、猫はネコでしょう。

六十年前「ああなりたい」「こうなりたい」と夢をふくらませていた中学生時代を思い出します。結局は「いま、こうなりました」。どうしてかって聞かれても「自分が作ったからです」としか言いようがありません。こうなってしまって何か損しただろうか。損をしたかもしれません。でも得したことも多かったと思います。ナニを損してナニを得したかなどいちいち覚えていません。もう過ぎたことです。途中で自分を変えようとしてはみましたが無駄だったようです。毎日の暮らしが自分を作っていたんだと思います。それがいつの間にか自分らしい模様になって『人柄』になったのでしょう。いつものおとなしい猫がお酒を呑んだ途端に虎にでも変身しようものなら誰だってびっくりします。そんな人にどうやって付き合えばいいのでしょう。お酒の冷めた翌日には猫に戻って「昨日はちょっと飲みすぎたようで…」と猫なで声で申し開きをされても困ってしまいます。

人の目にどんな姿で映るかは誰の責任でもありません。自分は美しく映そうとしても相手の鏡が曇っている場合もあるし、心の汚れがそのまま姿をゆがめてしまうこともあるでしょう。いろいろ苦労することがあっても、毎日を自然体で素直に暮らしてみたらどうでしょうかね。


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