
| 著者 | 翻訳者 | 作品の分類 | ページ数 |
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| 音無篤 | ‐ | 随筆・歴史 | 311 |
| 書籍サイズ | 定価(税込) | ISBN |
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| A5 | 1,870 | 978-4-86420-315-9 |
| 概要 |
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前著『熊野本宮‐音無氏の研究』では、氏(うじ)としての系譜・来歴を研究対象とした。音無姓を最初に名乗ったのが音無盛秀であること、それ以前は熊野連と称していたこと、初代熊野国造大阿斗(おおあとの)足(すく)尼(ね)命の末裔であること、本宮に来る前は大和国にいたこと、それ以前は大阪府八尾市亀井町辺り、そのまた前は北九州にいたことなどを諸文献を頼りに辿ってみた。二千年を超える遙かなる旅に胸を躍らせたものだ。事実はどうであれ、文献上紀元前後まで遡れることに心底驚いた。我が国にはそうした古い文献が多数残っているのだ。 今回は幕末から昭和に掛けての卯右衛門、茂利、友蔵の三代を取り上げた。これは実在の人物である。言ってみれば和歌山の山間(やまあい)の寒村の百姓三代の記録である。だから調べるのは文献といったものではなく、古文書や古記録といったものになる。しかし、古文書は読むに読めない。そこで、図書館で古文書入門の本を借りて自習したり、地域の古文書講座に参加したりと準備に多くの時間を費やすこととなった。それでも成せば成るもので、なんとか自力で古文書に対峙できるようにはなって来たのである。我が家に伝わる江戸期の土地売買の証文類も以前は解読を諦めていたが、今では読めるようになったのである。たった一字を解読するのに何週間も掛かったこともあった。私は学生時代、古典文法を研究し、高校の国語教師になって古文、漢文を教えていたことも大いに役立った。 この本を読むに当たって、引用された古文書や記録を丹念に読んで欲しい。私の拙い解説はあくまでおまけであって、主は引用と思って書に対峙して頂きたい。おまけは引用文を理解する助けにはなるが、それまでである。引用文は歴史そのまま、その用語、言い回し、醸し出す雰囲気等味わい深いものなのである。本当は実物の古文書に当たるべきではあるが、それはできない相談なので活字化されたものだけでもしっかり読んで頂きたい。かねてより私は「一本松区有文書」を見てみたい、どこにあるのだろうと思っていたが、驚いたことに茂利、友蔵時代我が家の蔵に眠っていたのだそうである。灯台もと暗しとはこのことである。そのことを教えてくれ、文書を自由に見られるように便宜を図ってくださった近藤稔氏にこの場を借りてお礼申しあげる。 (『まえがき』より) |
| 目次 |
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はじめに 第一章 卯右衛門 天保の飢饉 嘉永の大水害 水野土佐守忠央 炭の増産 年貢米 異国船の来航と村替え騒動 頼母子講 屋敷売渡し 曽勇禅師 分家独立 天誅騒動 結婚 助郷 幕長戦争 音無天神社 龍蛇信仰 戸籍人員調帳 奮闘 明治二十二年の大洪水 復興 第二章 茂利 倉普請 植林政策 盗伐事件 山論 家族 区有財産整理統合 三里村の経済更生運動 農事実行組合 傳吉 弔辞 田畑山林売買 第三章 友蔵 昭和の初め 戦時中の収入 デノミ 「電気運動日誌」 林道整備 邦雄 山林売却 晩年 田畑山林売買 おわりに 参考文献及び資料 |