《国語教育叢書2》

物語のすがた

― 初等国語教育・絵本と童話の教材分析 ―




データ

編者名 作品の分類 ページ数
白瀬浩司 教科教育学 319

ISBN 書籍サイズ 定価(税込・円)
978-4-86420-247-3 A5 3,850




概要
副題の示すように、本書は著者による絵本や童話の物語分析の論考を採録したものです。分析対象(作品)の多くは、これまで小学校の国語科教材にもなっています。

中等教育(中学校・高等学校)の国語科教員だった著者が、それまで軽く見ていた絵本・童話と向き合い、出会いなおすことになったのは、40代半ば過ぎ。保育士・幼稚園教諭・小学校教諭を養成する短期大学・四年制大学で初等教育の国語科講座を担当するようになってからでした。

「教員も、まずは一読者として絵本や童話を味わい、楽しもう」というのが本書に通底する想いであり、絵本・童話の作品構造を捉えつつ物語世界を複数の角度から照らし出していきます。また、絵本の文字情報と絵画情報の双方に着目しながら読み進め、文字で語られていない物語内容を絵から拾い上げていく過程を楽しむこともできるはずです。

初等教育の現場(幼稚園・小学校)や保育の現場で、絵本や童話は教材・保育素材として用いられていますが、教育者・保育者のみなさんにも、是非、本書をひもといていただきたいところです。教育・保育のアイテムと見なしていた絵本・童話の持つ豊かさにあらためて触れ、出会い直すきっかけになることを願っています。



目次

第一部 絵本・童話の物語を読み解くために

・物語のすがたを捉える ―初等国語科・教材分析の方法(『ごんぎつね』)―
・文字がつむ紡ぐ物語と、絵が紡ぐ物語と ―絵本『どろんこハリー』試論―
・夢を具現化する力 ―教材分析『花いっぱいになあれ』・『こわれた千の楽器』―
・めぐり、めぐりゆくもの
―教材分析『サーカスのライオン』・『はりねずみと金貨』・『おにたのぼうし』―

第二部 変化や成長をもたらすもの

・忘れかけた子ども心が、軽やかに再起動するとき
―絵本『だってだってのおばあさん』試論―
・響き合いと変容 ―教材分析『きつねのおきゃくさま』―
・不思議な《ことば》の力 ―絵本『ポレポレ』試論―

第三部 他者との関わりの中でみえてくる自己

・見知らぬ誰かとつながり合う ―教材分析『野原のシーソー』―
・教室のトッコが〈つり橋〉を渡るために ―教材分析『つり橋わたれ』―
・思いやりの心を贈り合う ―教材分析『ゆうすげ村の小さな旅館』―
・悪魔(あるいは天使)への旅程 ―『エヴリデイ』を読む―

第四部 きずなを断ち切る力と、深める力

・脈絡なき途絶という方法 ―絵本『せかいいち うつくしい ぼくの村』試論―
・見ることと、定位すること ―『すべては平和のために』を読む―

第五部 見守りと看取り―生誕と死別

・生命(いのち)の確かさを抱(いだ)きとめる ―教材分析『海の光』―
・心の扉を開き、歩みだすということ ―絵本『くまとやまねこ』試論―
・いつまでも共に生きるということ ―教材分析『わすれられないおくりもの』―
・幾多(いくた)の反転を内包する物語 ―絵本『100万回生きたねこ』試論―

第六部 授業実践と保育実践のために

・教材分析と授業実践 ―『もうすぐ雨に』の場合―
・試案と実践・〈語り〉の場の生成に向けて ―保育活動《語り合わせ》中間報告―

あとがき(初出一覧)



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