太陽と砂




【パリの砂】より抜粋

そこは床の傾いた屋根裏部屋で窓を開けると灰色の、
パリの空がある。いたたまれず外にでた。目の端に
砂が散って仕方がなかった。


【秘戯】より抜粋

秘められた場所というものを
幼い者の多くが隠しもっている
それは納屋の片隅
大きな楠の陰 ときには
ガラスの小壜の中であったりもする


【鹿追い人】より抜粋

どの駅から旅がはじまったのか、もうだれも覚えて
はいない。大陸を西へと向かう列車は夜の駅に停車
するたび、古い乗客を降ろし、新しい乗客を乗せた。



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