備前日置当流探訪




1996年備前日置当流宗家の吉田家奉公書を中心に『備前岡山藩の弓術』を書き、その後、岡山大学弓道部五十周年記念事業として、『日置の源流』(備中足守藩吉田家弓術文書、H17年末、太陽書房より刊行)の翻刻・編集のお手伝いをさせて頂いたところであるが、此の度は、弓道場の変化・岡山藩の弓に関する噂話の検証・岡山に唯一つだけ残った「徳山師家」を探訪してみる事にした。いずれも、郷土史的な興味から、時折書き止めたものを掻き集めたものである。したがって、弓の技術について論じたものではない。

右記の『日置の源流』は、岡山大学弓道部OB在間氏(現岡山県立記録資料館館長)の82点に及ぶ大量の日置流弓術伝書の発見によるもので、備中足守藩弓術指南役吉田家に伝来した文書を岡山大学弓道部OB会が50周年記念事業として翻刻したものである。これには、弓の技術についても述べられており、弓の技術に関心のある人は、是非、併読して頂きたい。



第一章、第二章については、日置当流古式体配につき、どうした誤解から異説が出てくるのかを、私なりの検討をしたものである。日置の体配は、一つの無形文化財と云ってもよかろう。正しく伝える事が我々の義務ではなかろうか。

第三章は、岡山藩の弓に関する「噂話」を追っかけてみたもので、気楽に読んで頂ければ充分です。噂話であっても、他の史料とつき合わせて見ると、結構面白いものが見えてくるものである。

第四章では、翻刻のお手伝いをした岡山大学弓道部五十周年記念誌『日置の源流』から 「満」ということについての見解を述べたものである。

第五章として岡山に弓術師家としてただ一つ残った「徳山家」について奉公書を中心に探訪してみた。岡山の体育や武道について語る人は必ず徳山家に言及するのであるが、論拠の薄いものが多く、中には史実に合わない贔屓の引き倒しに類するものもある。少しでも実像に近いものをと思ったのである……


書籍の購入方法

本棚ページ

詳細ページ

トップページ