始発駅 きみと出会ったころ きみと出会ったころは 毎朝きみの姿を見るだけで楽しかった 初めて待ち合わせたときは きみがまっすぐ俺のところに やって来たことがうれしかった すぐにきみに会いたくなる俺だったけど 望みはそれだけだった それがいつしか 愛が多いとか少ないとか 仲違いする二人になって やがて離ればなれになった 昔は何も求めなかった ただ顔を会わせるのが楽しかった 電話 出会って間もない頃 きみに電話して 「特に用事があるわけじゃないけど・・・」って 言い訳がましいことを言ったら 「電話って用事があるからかけるもんじゃないでしょ」 って言われた 「そうなんだ」 私は用事があるときにしか電話しない男だったから きみの言葉は妙に新鮮だった |