青春17切符+1




始発駅 きみと出会ったころ

きみと出会ったころは
毎朝きみの姿を見るだけで楽しかった

初めて待ち合わせたときは
きみがまっすぐ俺のところに
やって来たことがうれしかった

すぐにきみに会いたくなる俺だったけど
望みはそれだけだった

それがいつしか
愛が多いとか少ないとか
仲違いする二人になって
やがて離ればなれになった

昔は何も求めなかった
ただ顔を会わせるのが楽しかった




電話

出会って間もない頃
きみに電話して
「特に用事があるわけじゃないけど・・・」って
言い訳がましいことを言ったら

「電話って用事があるからかけるもんじゃないでしょ」
って言われた

「そうなんだ」
私は用事があるときにしか電話しない男だったから
きみの言葉は妙に新鮮だった



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