「 つた う 」 砂木 匂い袋を破っても匂いは漂うように お守りの使えない事に 包む掌は頷いていた 待っている続きにしか 使えない守り 薄めれば薄めるほど きかなくなる でも どこまでも薄まる事に 耐え損ねて のべくべるわな つるにのまれるやぶ ひとつずつおる指に 渡り乞う 匂い |
「 石 」 橘 樹来 そこに石がある 小さな小さな石 その石を 子供は遊び道具に 大人は素通りして 老人は躓いて転ぶ 存在しているからには 役には立たなくても 誰かの何かかしらの 影響を与えている ものかも知れない いい影響にしろ 悪い影響にしろ |