きらる7

( Leap Ahead )





ちょうどまぶしい
はるな/作

ここがどこかわからなくなってしまう
眠っていたわけでもないのに
あなたはわたしと太陽のあいだにたつので
そうか、いつも
ちょうどまぶしい



夜になっても愛は
草野春心/作

夜になっても
愛はきみの胸にあった
海のむこうでさびしくともる
うすぐらい光のように
いま、雨は
何処にも降っていない
ただそんな予感だけが、
あたりをかなしく濡らしている
獣たちが息をひそめ
音楽はピアノのなかで眠る
穏やかな栗色の巻き毛につつまれ
まちがいなくきみのものだった
夜になっても 愛は



ミラクル
日疋士郎/作

どこかのしんやのスーパーからきこえてくる
でんわごしのあかるいこえ
がさがさにあれたこころにしみとおって

またね
といってきったあと
ふしぎなことに
りょうあしはだいちふみしめて
しっかりらくにたっていて

めはあかるくやみをすかして
まっすぐまえをみつめていて

あめあがりでうすくけぶるみちは
みずをふくんでひかってみえて

あるとはしらなかったしんの
おくのおくのほうから
しずかにやわらかく
びしょうがのぼってきて

……せかいは
いきてる。



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