「ほおずき」 大原鮎美 ほおずき 鬼灯 愛されなかった子 夕陽もほおずきも赤いね 街も路地も赤い ほおずきをひとつとって 口に含もう もうすぐ闇がやってくるさ 身を隠すには充分な 愛されなかった子 悲しみはせつな 悲しみはひとひら じきに月光が降るだろう すべては過去に鎮められる いまはほおずきを鳴らそう そっとそっと ほおずきを鳴らそう 「あいだ」 春雪 さようなら と ありがとう の あいだに 何を言いかけたのですか ごめんなさい と さようなら の あいだに 何を言いかけたのですか ありがとう と さようなら の あいだに 何を言いかけたのですか 愛していた と さようなら の あいだには なんにもないような 気がしています |