小説哲学史(上)




データ

作者名 作品の分類 ページ数 書籍サイズ 定価(税込・円)
野田啓介 哲学 266 A5 2,052

ISBN
978-4-901351-62-1




概要
読みごたえのある哲学の内容を、ファンタジー風の物語仕立てにして、楽しく読めるようにしてある。楽しく読みながら、読者は、古代ギリシャ哲学から二十世紀の現代哲学、更に東洋思想に至る、哲学の全貌を鳥瞰することになる。著者は哲学博士・野田啓介氏。

著者のコメント
 私が毎晩ひと続きの夢を見、夢の中で私は旅をします。夢の中の旅で、私は、哲学史数千年の世界を訪れます。第一夜で古代ギリシャ哲学の世界を、第二夜には中世哲学の世界、第三夜は近代哲学、第四夜は現代哲学、そして第五夜は東洋哲学と、夢の旅は五夜に渡って続きます。それぞれの世界で私は主要な哲学者に出会い、語らいの時をもちますが、時にはニーチェの「ツァラトゥストラ」や「不思議の国のアリス」のように動物や虫も語り、私の旅に彩りを添えます。人生を旅になぞらえ、旅の意味そのものを解くために旅を続け、人生の意味、自分の存在の意味が、しだいにひも解かれてゆきます。
 旅の途上で出会う哲学者は、自分の哲学の真髄を語り、私は哲学史の全体を巡ることになります。辺りの風景や情景はその哲学者の思惟を形象化した(目に見え、肌で感じるようにした)もので、抽象的な思惟を目で見、香りをかぎ、音で聴けるようにしたものです。
 哲学の通俗解説書にありがちな通り一遍の説明では、どんなに言葉をつくしても、セミの脱け殻をもって生きたセミを説明するように、その哲学者の思惟がもっている独特の芳香、雰囲気、色合い、肌触りが伝えられず、さらに思索の生き生きとした新鮮な在り方も伝えられません。情景描写の中に、その哲学者の雰囲気を織り込み、哲学者の語る少ない言葉のなかに、その哲学者の思惟のもっとも本質的なものが表されるように努めました。
 この本は、一言でいえば、楽しい哲学の本です。しかし、決してやさしい本ではありません。扱っている問題の中には、理解が難しい事柄、解決が困難な問題、謎やパズルのような問いなどがあり、読む人が読む人の立場からいろいろと解釈したり、悟ったりできるようになっています。

目次
序 旅の夢

第一夜の夢 神々が人と共に住む世界(古代ギリシャ哲学の世界)
      第一章 ソクラテスの茶屋にて
          第一節 ソクラテスとの対話
          第二節 ソフィストに誘われて
      第二章 プラトンの山をめざして
          第一節 白馬と黒馬にひかれて
          第二節 孤高の人、プラトンとの出会い
          第三節 洞窟コウモリの話
          第四節 プラトンの世界山の静謐な大気の中で
      第三章 アリストテレスの大都市を訪れて
          第一節 いくつもの道
          第二節 フクロウの案内係
          第三節 アリストテレスと出会って
          第四節 踊るモンシロチョウ
      第四章 神々の饗宴
          第一節 水のほとりでターレスと
          第二節 森の大道哲学者達:
              息吹きをするアナクシメネスとジャグラー、デモクリトス
          第三節 炎の行者、ヘラクレイトス
          第四節 不動の人、パルメニデス
          第五節 夜のピタゴラスと星の舞踏会

第二夜の夢 神が統べる世界(中世キリスト教哲学の世界)
      第一章 魂の光と闇アウグスチヌス
          第一節 修道士らしからぬ修道士の一団キリスト教について
          第二節 過去が甦る会堂
          第三節 震える魂の暗闇に光る真理
          第四節 地下牢の暗闇でおびえている自己
      第二章 フランシスの大地の愛の詩
      第三章 聖堂の碩学アキナス

第三夜の夢 自我の世界(近代哲学の世界)
      第一章 数学好きな貴公子、デカルト
          第一節 ホタルの光
          第二節 つり橋
          第三節 はだかのカエル
          第四節 デカルトのテラスで思惟する自我
          第五節 自我と世界
          第六節 人間の理性と神
      第二章 船の上でジョン・ロックとディビッド・ヒューム
      第三章 ライプニッツの園
          第一節 玉虫の光
          第二節 ライプニッツの庭園
          第三節 可能な世界と現実に存在する世界
          第四節 モナドと時空の調和世界
      第四章 カントの殿堂
          第一節 酔っ払ったサル
          第二節 人は、何を知り得るのか?
          第三節 総合判断と分析判断
          第四節 時間・空間とカテゴリー
          第五節 現象と物自体
          第六節 人は、何を為すべきか?
          第七節 出航


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