著者名 | 作品の分類 | ページ数 |
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田畑益弘 | 俳句集 | 172 |
ISBN | 書籍サイズ | 定価(税込・円) |
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978-4-903447-27-8 | B6 | 2,750 |
概要 |
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田畑益弘氏の11番目の俳句集。著者が撮影した四季折々の京都の写真入り。 |
著者からのコメント |
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「京都人は、京都を知らない」と言われる。数多の文化遺産が身近にありながら、敢えて訪れる地元京都人は極めて稀で、よほど観光客の方が知識も豊富に持っている、という意味である。清水寺や金閣寺などの著名な仏閣や名所旧跡にも、「小さい頃に、遠足で行ったきり・・・」などという京都人が結構いるものなのだ。「いつでも行ける」という気楽で贅沢な立場が、「何十年も行ったことがない」ということに繋がっているのである。実は私もそんな「京都を知らない京都人」の一人であった。京都に生まれ育ち、京都に永らく暮らしていながら、これまで私も、地元京都の文化遺産に余りにも疎遠であったように思う。 この約三年の間、地元京都を一人の観光客になったつもりで、一から訪ねなおしてみようと思い立ったのは、以上のような自省の念に駆られたからであった。観光客のように、京都ガイドブックを買い、見どころを予習し、カメラを片手に、連日のように私は地元京都を見て廻った。この句集「京都抄」は、その折々に詠んだ句の中から自選し、その時々に撮影した写真を添えて、編集したものである。 思えば京都は、一千年余の古都であり、日本語が生まれ、育まれた地と言っても過言ではないであろう。京言葉・京都弁は永らく標準語であったのであり、「俳句歳時記」にしても、元々は「京都の歳時・季感」を基本に編まれたものであったのだった。京都は日本語の故郷、季語の故郷である。俳句作者にとって、京都に生まれ育ち、京都に住まう幸運を改めて自覚せねばならないところである。 この句集「京都抄」で採り上げたのは、京都の数多の文化遺産のほんの一部である。これからも京都を「詠み歩き 撮り歩き」第二集、第三集・・・に繋げて行きたいと考えている。 ・・・・・「著者あとがき」より。 |