作者名 | 編纂者 | 作品の分類 | ページ数 |
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東文彦 | 阿部誠 | 小説 | 172 |
ISBN | 書籍サイズ | 定価(税込) |
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978-4-903447-15-5 | A5 | 2,200 |
概要 |
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東文彦全集(全三巻)の最終巻。 同巻では、東文彦の覚書と書簡を収録した。 さらに、昭和19年に刊行された『浅間 東文彦遺稿集』から、文彦の恩師である室生犀星の追悼文、また父東季彦の短歌の師である佐々木信綱と、その高弟印東昌綱の追悼歌を収録した。 室生犀星の追悼文は、犀星の全集に未収録の資料である。文彦の死によってこの師弟は初めて顔を合わすこととなったわけであり、犀星の目を通して捉えられた文彦像は美しい。犀星は文彦の本質的な特徴を的確に捉え、また繊細な筆致でその美質を描き記している。後に講談社から刊行された『東文彦作品集』は犀星の助言がきっかけとなって編集が行われた。わずか3年という短い師弟関係ではあったが、薄幸の弟子を見送る犀星の温情が味わい深い。この追悼文からは、文彦の葬儀の様子もわかる。 佐々木信綱の追悼歌1首と、印東昌綱の追悼歌2首からは、文彦を看取った両親の姿が浮かび上がってくる。深い愛情と悲しみを湛えた歌である。 今まで文彦に関しては詳細がわからなかったのだが、本巻の刊行により、葬儀の様子や文彦をめぐる人間関係の一端がわかるようになった。また、一般の方々には入手困難であった資料を収録することができた。これを契機として、より多くの方々が文彦を知ることを願う。 |