なぜ「貧しい授業」が多いのか

- どうしたら子どもたちはもっと学べるようになるか -




データ

編者名 作品の分類 ページ数
武田忠 教育学 209

ISBN 書籍サイズ 定価(税込・円)
978-4-86420-109-4 A5 2,160




概要
教科の違いをこえて、教材文を読んで、その内容を読み取り、確かな「理解」していくことは、子どもたちがしっかりと身につける必要がある基礎的な学習能力であることは言うまでもない。それでは、文章を読んで「理解する力」の形成には、これまでの教育は、どれほど確かな内容や方法を備えてきたと言えるであろうか。残念ながら、その成果と言えるものは、極めて乏しいのが現状ではないかと考える。子どもたちが、多くの「貧しい」授業の中で、もっと確かなものを学びたいと願いつつも、その願いを満たすことのできないでいるのが、偽らざる多くの授業の現実の姿ではないだろうか。

本書では、多くの子どもたちが、なぜ確かなものを学び取ることができないのか、その授業の実態の検討をとおして、日本の教育が抱えている改革の根本的な課題はなにか、その改革、改善すべき授業の問題点なにかを、教材文の理解の問題に焦点を置いてじっくりと考察してみるこことしたい。



目次
序章 なにが授業を「貧しい」ものにしているか

  Ⅰ.「問い」と「吟味」を欠く教材理解の問題点
  Ⅱ.「わからないこと」への対応の必要性に気づいているか
  Ⅲ.教材に誤りや不適切な表現があることに気づいているか
  Ⅳ.教材の記述内容の「確認」の不適切さに気づいてるか
  Ⅴ.根拠のない判断の誤りに気づいているか
  Ⅵ.作品全体にどんな関連、つながりがあるかに気づいているか
  Ⅶ.もっと大事な「問い」があることに気づいているか


第一章 教材理解になぜ「問い」と「吟味」が必要か

  Ⅰ.教材理解に何が欠けてきたか
    1.文章を「理解する力」とはなにか
    2.PISA調査都『指導資料』が提起した「読解力」の課題
    3.『解説』が提起する文章理解の課題
  Ⅱ.確かな「理解」になぜ「問い」と「吟味」が必要か
    1.「真実の外在性」から「真実の内在化」への転換の必要性
    2.「自問自答」による自己理解の「吟味」
  Ⅲ.確かな「理解」のための 教材研究になにが問われているか
    1.確かな「理解」のための教材研究の論理の追求
    2.四つの「問い」からの「理解」の取り組み
    3.「4つの問い」から「理解」を深めるための課題
      (1)教材内容の適切性の「吟味」
      (2)「わからなないこと」への気づきとその対応のあり方の検討
      (3) 教材内容の適切性の「吟味」と補説、修正等の必要性の検討
  Ⅳ.「問い」からの「理解」の追求から生まれる発見の喜び
    1.「問い」作りの授業の失敗をのりこえる
    2.「問い」作りからの新たな発見の楽しさ


第二章 確かな「理解」を目指す説明文の授業の課題

  Ⅰ.「問い」作りからの「理解」の追求が授業を変える
  Ⅱ.説明文の「わからないこと」とはなにか
  Ⅲ.「理解」に向けて「問い」と「吟味」をどう活用するか
    1.『ビーバーの大工事』教材文について
    2.教材文に対する「問い」と「吟味」の試み
  Ⅳ.教材理解を深める授業のステップはどうあるべきか
    1.「確認」から「理解」の学習になぜ取り組まないのか
    2.四つの「問い」から「理解」の試み
    3.「こと」「わけ」の「理解」から教材の本質を追求しよう
  Ⅴ.教材の「わからないこと」「理解の困難」にどう取り組むか
    1.『動物の体』の「理解」はこれでいいのか
    2.確かな「理解」に向けて子どもたちはなにを追求したか
    3.子どもたちがこの授業で確かめえたものはなにか
  Ⅵ.「理解の困難」解決のための部分的補足、補充資料の作成
    1.「理解の困難」解決のための部分的補足の必要性
    2.「全体的・構造的理解」のための補充資料の作成とその活用
    ◎「氷河時代とはどんな時代だったのか」


第三章 文学作品の教材理解になにが必要か

  Ⅰ.文学作品における教材理解の課題
    1.なぜ文学作品の作品「理解」は「貧しい」のか
    2.「問い」の繰り返しが新たな発見を導く
  Ⅱ.四つの「問い」から作品の「理解」にどう取り組むか
    1.「問い」から詩「土」の深層を読み解く試み
    2.「言葉」からの「イメージ」の確かさの吟味がなされているか
  Ⅲ.大事な「問い」がなぜ長い間不問にされてきたのか
    1.「問い」が貧しすぎるのはなぜなのか
    2.これまで不問にされてきた「問い」とは
    3.「問い」「吟味」の適切性を考える
    4.これまでの解釈、理解をどうのりこえるか
  Ⅳ.言葉の背後に隠されている作品の深層をさぐる
    1.暗示的な表現から深層をどう読み解くか
    2.『一つの花』の学習をどう進めるか
    3.教材研究及び授業にみる「理解」の問題点
    4.コスモスの花をだれが、なぜ植えたのか
  Ⅴ.心の絆はなぜ断たれてしまったのか
    1.『夕鶴』の舞台が惹きつけるものはなにか
    2.「夕づる」(小学生版)教材文について
    3 一次感想の表面的理解をどうのりこえるか
    4.よひょうはなぜはたおりべやをのぞいてしまったのか
    5.二人の心の絆はなぜ断たれてしまったのか


終章 教師の力量形成に問われているもの

  Ⅰ.「真実の内在化」のための課題
  Ⅱ.教師の専門的な力量とはなにか
    1.「知の育成」の専門的力量は備わっているか
    2.「理解の困難」への対応力育成の課題はなにか
    3.大学での教師の力量形成になにをこそ求めるべきか


参考文献


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